2014年4月8日火曜日

挽肉を使ったキッシュ、南仏プロバンス風 R#007

キッシュ・ロレーヌは代表的なフランスの地方料理ですが、その南仏版という挽肉を使ったバージョンです。キッシュあるいはそれに似た料理は、地中海沿岸に広く分布しています。イタリアではキッシュの中身にほぐしたサルシッチャを使うこともあるようですが、ここでご紹介するのは、それに似た挽肉とハーブをたっぷり使うバージョンで、南仏プロバンス出身の米国のお友達から教わったレシピです。ベーコンとたまねぎが主な具のキッシュ・ロレーヌよりも食べ応えがあり、これだけで立派なランチになります。キッシュの台は手作りでもできますが、忙しいときは市販の台を使うと便利。チーズはグリュィエールのようなスイス・チーズが定番ですが、そんな輸入物の高価な材料を使わなくても、ずっと安価な国産のリコッタ・チーズやカッテージ・チーズ(裏ごしタイプ)でも美味しくできます。みなさんはキッシュを、メイン、デザート、前菜、スナックのどれに分類されますか?キッシュはメインにしてはお菓子っぽいし、デザートにしてはメイン料理と共通の手順が多い、前菜にしては重すぎるし、スナックにしては手がかかりすぎる...と思いませんか。キッシュってそのどれにも属さないけど、そのどれにでもなる不思議な料理、なんて思ったりするのはわたしだけかしら。



材料:出来上がり6号タルト台1個分

6号タルト台(直径18センチ、市販品) 1個
エシャロット 中2個
牛挽肉 100g
リコッタ・チーズ 100g
青唐辛子(ししとう、万願寺など) 4本
黒オリーブ(種なし) 4個
白ワイン 20ml
オリーブ・オイル 大匙2
粗塩                  適量
粗挽き黒こしょう 適量
イタリアン・パセリ 5枝
セージ 3枝
[アパレイユ]
_溶き卵   2個
_生クリーム              100g
_パルミジャーノ・チーズ25g

作り方:

1.既製のサイズ6号(直径18センチ)のタルト台を用意する。リボン・ブランドの台は四角いプラの枠に入っている(写真1)。

2.エシャロットは皮を剥いて薄切りにする。生の青唐辛子は洗って種をだし、薄く小口切りにしておく。イタリアン・パセリとセージは葉のみをみじんに刻む(写真2)。黒オリーブは薄くスライス。

3.アパレイユ(詰め物)を作る。ボウルに溶き卵、生クリームを入れてよく混ぜ、さらにパルミジャーノ・チーズ(細かくおろしたもの)を加え、チーズが溶けてなめらかになるまで撹拌する(写真3、決して泡立てないこと)。


4.フライパンにオリーブ・オイルを入れて熱し、エシャロットを中火でじっくり炒める。次に挽肉を入れ、肉の色がすっかり変わるまで炒める。色が変わったら、青唐辛子、それに刻んだイタリアン・パセリとセージの半量を加え、白ワインを注ぎ、強火にしてアルコール分を飛ばす(写真4)。再び中火に戻し、水分が殆どなくなるまで煮詰める(水分が残ると、キッシュの出来上がりが軟らかくなって、崩れやすくなるの注意)。塩・こしょうして味を調える。

5.オーブン・ペーパーを敷いた天板の上にタルト台をおき、常温でやわららかくしたリコッタ・チーズを敷き詰め(写真5)、その上に、4.の中味を平均に広げるように移す(写真6)。


6.さらに3.のアパレイユを全体に満遍なく注ぎ入れ(タルト台の縁から溢れさせないこと)、さらにその上にスライスした黒オリーブと残りのハーブを散らす(写真7)。まわりのプラ枠を外す。

7.予熱あり180度Cのオーブン上段で25分焼く。タルト台の縁やアパレイユの表面が多少焦げるくらいが美味しい(写真8)。バター・ナイフを中央底までそっと入れてみて焼け具合を確かめる。加熱が足りないと、キッシュの底に近い部分がまだ固まっていないことがある。そのときはオーブンに戻して再加熱を。
8.粗熱をとってから楔形に切り分ける。冷たくなっても味は変わらない。電子レンジで温めるとき、ラップをかけると崩れてしまうので注意。

メモ
アパレイユに使うパルミジャーノ・チーズはパルメザン・チーズでもよい。エシャロットの代わりにはたまねぎを使っても可。底に敷くチーズはチェダー・チーズでも美味しくできる。

リニューアル情報:このレシピは2020年4月13日に出来上がり写真を変更、本文を加筆、調理中の写真を追加しました。